今回は、「4-4 酸性条件下と塩基性条件下での半反応式の覚え方を教えてください。」で飛ばしてしまった、水素の生成と酸素の生成をやっていきます。
半反応式の確認
今回確認いきたいのは、次の式です。丸暗記ではなく自分で考えて作れるようになってください!
陰極における水素の生成
2H+ +2e– → H2 (酸性条件) …①
2H2O + 2e– → H2 + 2OH– (中性・塩基性条件)…②
陽極における酸素の生成
2H2O → O2 + 4H+ + 4e– (酸性・中性条件)…③
4OH– → O2 + 2H2O + 4e– (塩基性条件) …④
作り方
陰極における水素の生成
①式の酸性条件はめちゃくちゃ簡単なので、一瞬で覚えてしまってください。ここでのポイントは「酸性条件=H+がたくさんある」ということです。
しかしこれが、中性や塩基性になったらどうでしょうか。そうです。H+がいないので①式は成立しない訳です。
そこで、中性・塩基性条件では①から②へと式変形が必要になります。式変形のコツは左辺の「2H+」に「2OH–」を足して「2H2O」を作ること!
これにより②式ができます。簡単ですね。
まとめ
2H+ +2e– → H2 (酸性条件) …① 中性・塩基性ではH+は存在しない
↓ 両辺に2OH–を足すと、
2H2O + 2e– → H2 + 2OH– (中性・塩基性条件)…② ←完成
陽極における酸素の生成
まずは③式がちょっと難しいので、作り方を解説します。
さて陽極では酸素(O2)が発生するわけですが、その材料は何でしょうか?答えは水ですね。
なぜなら、水溶液中には酸素(O)が含まれている物質は水(H2O)しかないからです。
そして、水(H2O)から酸素(O2)を作るには、水が2つ必要ですね。ということで、ここから次のように③式が作れます。
2H2O → O2
↓
2H2O → O2 + 4H+
↓
2H2O → O2 + 4H+ + 4e– …③
次に、③式は塩基性条件では成り立ちません。なぜなら、右辺の「H+」は出来た瞬間に「OH–」によって中和されるからです。ということで、両辺に「4OH–」を足して、次のように書き換えます。
2H2O + 4OH– → O2 + 4H2O + 4e–
最後に、両辺の水を打ち消して④式が完成します。
4OH– → O2 + 2H2O + 4e– …④
まとめ
2H2O → O2 H2Oを原料にO2が出来る
↓
2H2O → O2 + 4H+ なんやかんやで
↓
2H2O → O2 + 4H+ + 4e– …③ 完成
↓
2H2O + 4OH– → O2 + 4H2O + 4e– 左辺の4H+が中和されて4H2Oが出来る
↓
4OH– → O2 + 2H2O + 4e– …④ 完成
今回は以上です。分からないことがあればコメントで質問してください。
コメント