鉛蓄電池の構造
まずは構造を押さえましょう。とっても簡単です。
$$ \ce{⊖ Pb | H2SO4 aq | PbO2 ⊕} $$
負極と正極における Pbの酸化数を見ておきましょう。
負極:単体のPbなので「0」
正極:酸化鉛(IV)は「+4」
つまり、負極Pbの方が電子を多く持っていて、 正極PbO2は電子が不足していることが分かります。
PbとPbO2を比べると、
・Pbの方が電子が多い→電子を放出する側→負極になる
・PbO2の方が電子が不足している→電子をもらう側→正極になる
半反応式の覚え方
覚えるポイントは2つあります。
①負極でも正極でも、「PbSO4」ができる。
②水溶液中にある材料(H2O、H+、SO42-)を使って反応式を作る。
負極
まずは負極から考えましょう。まずは「PbSO4」を作ります。
$$ \ce{Pb -> PbSO4} $$
PbからPbSO4を作るには、水溶液中の「SO42-」を使えばよさそうです。
$$ \ce{Pb +SO4^2- -> PbSO4} $$
最後に、電荷を合わせで右側に「2e–」を足して、完成です。
$$ \ce{Pb +SO4^2- -> PbSO4 + 2e-} $$
正極
次は正極です。まずは「PbSO4」を作ります。
$$ \ce{PbO2 -> PbSO4} $$
PbO2からPbSO4をつくるなら「SO2」を足そうかなと考えちゃうかも知れませんが、ダメです!
あくまで、材料はH+かSO42-なので、ここは我慢して「SO42-」を足しましょう。
$$ \ce{PbO2 + SO4^2- -> PbSO4} $$
左右を見比べると、左側の方が「O」が2つ多いですね。ということで、右側に「O」を2つ足したいです。
ここで材料を見るとOが含まれるのは「H2O」か「SO42-」のどちらかですが、「O」2つ分を補うには「2H2O」を足すしかありません(「SO42-」ではOが4つになってしまうのでだめ)。ということで次のようになります。
$$ \ce{PbO2 + SO4^2- -> PbSO4 + 2H2O} $$
今度は、右側の方が「H」が4つ多いので、左に「4H+」を足します。
$$ \ce{PbO2 + SO4^2- + 4H+ – -> PbSO4 + 2H2O} $$
最後に電荷合わせで電子を足して完成です。
$$ \ce{PbO2 + SO4^2- + 4H+ + 2e- – -> PbSO4 + 2H2O} $$
全体の反応式も覚えよう
負極と正極の半反応式を足すと、次のように全体の反応式が作れます。
$$ \ce{Pb + PbO2 + 2H2SO4 ->C[\ 2e^-\ ] 2PbSO4 + 2H2O} $$
この時「電子が2個流れている」ということを忘れがちなので、上に書いておきましょう。この「電子2個」を使う問題がるので注意!!
今回は以上です。分からないことがあればコメントで質問してください。
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